ヒートポンプ

出典:消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書
家庭用ヒートポンプ給湯器「エコキュート」による健康被害のトラブルが後を絶たない。
最近の東京新聞で記事になった事案も、既に何年か前から裁判をしており、目にしたことがある方もいるのではないのでしょうか。

隣家に設置されたヒートポンプ式給湯器「エコキュート」の運転音で頭痛や不眠などの健康被害を受けたとして、所沢市に住む六十代の夫婦が十八日、給湯器メーカーと住宅メーカーに損害賠償などを求める訴訟をさいたま地裁川越支部に起こした。(中略)

所沢の夫婦の訴状などによると、昨年12月に自宅の隣にエコキュートを備えた新築住宅が完成。翌年1月から夜間にエコキュートの室外機が発する低周波音で不眠や頭痛などの症状が出た。

給湯器メーカーについては「(健康被害を防ぐ設置方法など)具体的な指示、警告を行っていない」、隣家を建てた住宅メーカーについては「原告と協議せずに設置した」などと主張。両社に対し計約184万円と判決確定まで一人当たり一日4千円の損害賠償を、隣家に対しては使用停止を求めている。
出典:
東京新聞2015年8月19日
この記事の中でも紹介されているのですが、消費者安全調査委員会は夫婦の申し出を受け、エコキュートの影響を調査しています。そして、調査の報告書では、運転音に含まれる低周波音が症状発生に関与した可能性がある、と指摘しているのです。
ということは、近隣に家がある場所でエコキュートを使用した場合、近隣の住民の方へ健康被害を与えてしまう可能性があるということなのです。

かなりショッキングな内容だったため、この消費者安全調査委員会の報告書を読んでみました。すると、その全貌と対応策が見えてきました。

報告書の内容を詳しく見てみよう

この報告書は「消費者安全法第23条第1項に基づく事故等原因調査報告書」と題され、家庭用ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動により不眠等の健康症状が発生したとの申出事案について、
1 事案の概要
2 事故等原因調査の経過
3 事実情報等
4 調査(分析)
5 結論
6 リスク低減策
7 意見
の7つの項目にわたって報告されています。

この報告書の内容の重要な部分を引用・抜粋しながら、今エコキュートにより何が起こり、何が問題となっているのか。そしてその根拠についてまとめてみました。

エコキュートの何が問題なのか

エコキュートの運転音により健康被害を訴える原因は、低周波音と考えられるようだ。
一方で、低周波音は、人に聞こえにくい領域の音であること、音の聞こえ方に個人差があることなどから音源の特定が難しいこと、また、設置者の理解を得ることが難しいことも、解決を難しくしていると考えられる。

しかし、健康被害を受ける方にとっては、エコキュートの運転音の聞こえ方・感じ方について、音というよりも、脳や身体に直接響くような感覚であると、かなり不快な状況に置かれていることが分かる。

エコキュートが問題の原因とする根拠

本件事案については、以下の点から、エコキュートの運転音が申出者の健康症状の発生に関与していると考えられる。

①ヒートポンプ給湯機設置当初から健康症状が現れ、また、ヒートポンプ給湯機が電気温水器に交換されてからは健康症状が治まったことから、設置と健康症状の発生との間に時間的な関連が認められたこと。

②申出者が訴える、場所(部屋)による症状の程度の違いと、現地での音測定で得られた各場所でのヒートポンプ給湯機の運転音に含まれる低周波音の違いに対応関係が認められたこと。また、低周波音領域以外の音では、場所による症状の程度の違いと整合する特徴は、みられなかったこと。
⇒ つまり、症状が重くなった部屋では低周波が大きかったということ


なお、聞取り調査においても「神経質である。」と非難されたとの主張もあった。しかし、今回実施した調査・分析からは、個人の気質と健康症状の発生との間に関連は認められなかった。
⇒ 逆に、「気質と健康症状の関連を根拠付けることができるの?」と思ってしまうのは私だけ?


エコキュートでトラブルに巻き込まれないポイント

兎にも角にも、この事案がきっかけになり、エコキュートが健康へ被害を与えてしまう危険性を含んでいるということを知ることができました。

では、私たちは今後エコキュートを利用するに当たり、近隣の住民や自身の健康を守るためにどうしたらよいのでしょうか。

この報告書の最後にリスク低減策が講じられていましたが、1番の対策はエコキュートの設置場所について、以下の配慮をすることにあるそうです。

隣家の寝室の傍を避けること
隣家の開口部(窓、床下通風口など)から極力距離をとること

また、新築時に設置されるエコキュートの多くは、住宅事業者が設置場所を決めていると考えられるが、事業者及び施工主が上の2つのポイントを考慮したうえで設置の場所を決めることが大切になります。

エコキュートの設置場所については、まだまだ業者任せになってしまいますが、業者が上記のことを配慮してくれるかは非常に微妙ではないでしょうか。ぜひこれから家を建てる方は、自身の目でチェックしてみてください。

エコキュートがすでに設置してあるケースの対応策

こちらは、非常に困難な状況にあるようです。
報告書によると、
ヒートポンプ給湯機から生じる運転音・振動によって健康症状が生じたとの訴えがあった事案については、製造事業者が、個々の事案に応じて、健康症状の軽減に向けたヒートポンプ給湯機に関する具体的な対策を検討し提案するとともに、その履行がなされるように取り計らうなど丁寧に対応すべきである。
としており、私たち家主ができることはほぼなく、あくまでも製造企業の対応を促すだけにとどまっています。

わが家がエコキュートを使って2年が経とうとしています。深夜電力を利用することからもとても維持費が安く、家計にやさしい設備です。オール電化住宅には欠かせませんよね。

一方で、まだまだ最新の設備であるために、当初想定されなかった問題が起こってきています。太陽光発電も同様ではないでしょうか。

こうした未知の問題に立ち向かっていくことが、最新設備を導入していく企業・自治体・私たち施工主に求められようとしています。正しい知識を身に着け、迅速な対応策を発信していかなければならないようですね。
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