住宅

熊本地震による被害を受け、保険各社は被災者に地震保険の保険金が速やかに支払われるようにするため、2016年4月22日から被害を自己申告するだけで支払い額を決める特別な対応を取ることを決めました。

通常、地震保険の保険金支払額は、保険会社の調査員の現地調査で決まります。それが今回の地震では、地震により被害を受けた契約者(または契約者の同意を得た者)が住宅や家具などの被害を書類と写真で自己申告すること支払い額を決めるという対応を取ることになったということが特別なのです。

ただし、この自己申告を行うに当たり、注意点がいくつかあります。その注意点をまとめてみました。

地震保険 自己申告をする際の注意点

保険請求方法

地震保険を自己申告する際の注意点は、以下のとおりです。注意を払い速やかに申告し、保険金を受け取れれば幸いです。

その1 自己申告の対象は「木造の建物」に限る

この自己申告制度ですが、建物の対象は木造(在来軸組工法・枠組壁工法)のみに限られています。

理由は(私の見解ですが)、鉄筋住宅はその被害を目視では確認しにくいからだと考えられます。そのため、比較的素人でも破損具合が判断しやすい木造に限られているのだと思います。

その2 「全損」については自己申告できない

また、対象となるのは、3つに分類される被害の程度が「全損」以外です。「全損」については調査員の現地調査により、全損と認められた場合、契約金額の100%が支払われます。ちなみに、3つの分類とはざっくりまとめると次のような状態に当たります。

全損・半損・一部損

自身の被害状況がどの分類になるのかの判断は素人では難しいため、基本的には保険会社各社の「損害状況申告書」を作成し、提出することで保険会社が判断してくれます。

損害状況申告書

出典:JAふたば地震共済被害状況申告書より
察するに、「全損」か「半損」かの判断が難しい被害については、実際に現場で調査が必要なほどデリケートな区分けであるため、「全損」は自己申告に含まれていないと考えられます。

このようなシステムだと、保険会社が保険金を払いたくないがためにしっかりとした判断をしてくれないのではないかと心配になってしまいますよね。

ですが、この点については『保険会社を信頼して大丈夫』です。なぜなら地震保険の保険金は政府が負担するため、保険会社が損をしない仕組みになっています。しっかりとした調査を行ってくれるはずです。

その3 被害状況を「写真」に収めておく

自己申告するには、被害の状況を写真で報告する必要があります。すぐに家を片付けたい気持ちは分かりますが、被災後の損害箇所をしっかり記録しておきましょう。

写真を撮る際に気を付けなければいけないことはあるのでしょうか。JAの地震共済を例に取ると、次のような注意を促しています。


  1. カメラはフィルム・デジタルどちらでも結構です。(携帯電話カメラで撮影したものでも損害が判別できる場合は可と致します。→ 携帯電話にセットしてあるSDカード等でコンビニ店等での印刷が可能です。)

  2. 写真撮影には「表札」または「郵便受」などの、当該建物が共済の対象(目的)であることがわかる箇所を含めてください。

  3. 建物全景〔原則4面の写真(少なくとも建物の正面と左面もしくは右面の写真)〕を撮影し、その後、被害箇所を撮影してください。

  4. 共済の対象が「建物」の場合には「建物の構成部分(基礎・屋根・外壁・柱・内壁・天井・床・建具・設備)」ごとに少なくとも1枚ずつ、「家財」の場合には「損害が発生した家財」を少なくとも1枚ずつ撮影をしてください。

  5. 誠に申し訳ございませんが、写真現像に要する費用につきましてはお客様のご負担でお願いします。
特に、2~4の注意点はしっかり確認したいですね。

まずは保険会社に確認を!

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地震保険の自己申告制度が可能になった背景には、調査員の調査を待っていると家の片付けができないということがあったようです。

自己申告制度を利用すれば、保険金をしっかりと受け取れ、かつ迅速に住宅の片付けが可能になります。地震により受けた傷跡をできるだけ早く修復するためにも、自己申告制度は画期的な制度であるといえます。

保険会社との意思疎通を行い、自己申告が適正に行われ、被害にあわれた方々の一刻も早い復興を祈っています。

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